最近の世の中にはモノが溢れています。ゴミを捨てるときに、実際にはモノの価値はなくなっているんだと思う。ヤフオクやメルカリで売れば数千円にはなりそうな物でも、めんどうなので一般ごみや粗大ごみで捨ててしまう。
ゴミとして捨ててしまえば、物の価値はゼロ。いくら数万円のお気に入りのアイテムだったとしてもバナナの皮と同じ価値にしかならない。
僕は昔からシンプルライフを目指していて、最近でもシンプルな生活を目標としています。断捨離や捨てハイなどの考え方の本は何冊か読みました。ほとんどの本が捨てる技術面と具体例を示しているなかで、佐々木典士の「ぼくたちに、もうモノは必要ない。ー断捨離からミニマリストへ」を読んで良かったので紹介。
この本は禅の本です。
シンプルライフや断捨離の内容をイメージして本を読むとまったく違った内容に驚かれると思う。そうこの本は禅の本なのです。
具体的な断捨離例が多少はあるものの、ほとんどが佐々木氏の考え方とモノに対する思考回路を解説している本。ようするにモノを所有しても幸せを感じられない理由が解説されているのです。
モノを捨てる具体的な方法を知りたい人には向いていない。しかしこの本の考え方を理解すれば少しづつでもシンプルライフにつながっていくと感じました。自分の中でモノに対する考え方が深まったのがわかります。
極端なミニマリストまでいかなくともシンプルライフへ
著者は過剰なモノを所有していた人から、僧侶のようにモノを持たない人に変貌しています。振り幅としては両極端に位置する考え方です。
バランス良くするより、何かに集中すると極めてしまう人なのかもしれません。こんなに極端なミニマリストにならなくともと思いますが、それ自体が価値観の押しつけなのです。
モノを持つことが幸せ、モノを持たないことが幸せ。人によって幸せの定義が違います。ただ今の世の中ではモノが溢れいていて、何を手に入れても幸せを感じられない人が増えている気がします。
そこでモノを手に入れる幸せと対極にある、モノを持たない幸せを提案する内容なのです。僕はモノを買うことはあまりしません。お金もかかりますし、モノを買っても邪魔になったり飽きてしまうことをうすうす感じていかたら。
それでも日々の情報からモノを手に入れるべきであるといった思考回路が埋め込まれます。周囲の人がモノを手に入れているので、集団心理だからかモノを手に入れなくてはならない考え方になってしまうのです。
現実的には周囲がアウトドア趣味の人が多ければアウトドアを始めてしまうこともありますし、ガジェットが好きな人の会社では最新ガジェットを買うことが大切に感じてしまうことがあります。
周囲の環境に影響を受けず、自分だけミニマリストへの移行はかなり難しいものがあります。ですので、佐々木氏のように極端なミニマリストではなくとも普段の生活をシンプルにしたい人にもおすすめの本です。
極端にミニマリストを目指す人ではなくても、モノを手に入れて幸せになれない理由を知りたい人は一読の価値ありです。
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